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手の筋 

2018年9月9日

 

①母指筋

 

短母指外転筋 Abductor pollicis brevis

 

起始 舟状骨 屈筋支帯橈側端

停止 第1中手骨頭橈側種子骨 母指基節骨底

神経 正中神経 C6~T1

作用 母指掌側外転

 

 

短母指屈筋 Flexor pollicis brevis

 

起始 浅頭:屈筋支帯 深頭:大小菱形骨 有頭骨

停止 第1中手骨の橈側種子骨 第1中手骨尺側種子骨 母指基節骨底

神経 正中神経 C6~7 尺骨神経 C6~T1(深頭)

作用 母指MP屈曲・内転

 

 

母指対立筋 Opponens pollicis

 

起始 大菱形骨結節 屈筋支帯

停止 第1中手骨橈側縁

神経 正中神経 C6~T1

作用 母指を小指の方向に引く

 

 

母指内転筋 Adductor pollicis

 

起始 横頭:第3中手骨掌面 斜頭:有頭骨 第2・3中手骨底掌側

停止 両頭合して、第1中手骨頭尺側種子骨 母指基節骨底

神経 尺骨神経 C8~T1 (深枝)

作用 母指内転

 

 

②小指筋

 

短掌筋 Palmaris brevis

 

起始 手掌腱膜尺側縁

停止 掌皮の小指縁

神経 尺骨神経 C7~T1

作用 手掌腱膜を緊張

 

 

小指外転筋 Abductor digiti minimi

 

起始 豆状骨 屈筋支帯

停止 小指基節骨底尺側 種子骨

神経 尺骨神経 C7~T1

作用 小指外転

 

 

短小指屈筋 Flexor digiti minimi brevis

 

起始 有鉤骨鉤 屈筋支帯

停止 小指基節骨底尺側 種子骨

神経 尺骨神経 C7~T1

作用 小指MP屈曲

 

 

小指対立筋 Oppibebs digiti minimi

 

起始 有鉤骨鉤 屈筋支帯 

停止 第5中手骨尺側縁

神経 尺骨神経 C7~T1

作用 小指を母指の方向に引く

 

 

③中手筋

 

虫様筋 Lumbrical

 

起始 橈側の2筋:FDPの腱の橈側 尺側の2筋:FDPの腱の相対する面(2頭)

停止 それぞれ第2~5指基節骨底橈側面 指背腱膜

神経 橈側の2筋(第1・2):正中神経

   尺側の2筋(第3・4):尺骨神経 C6~T1

作用 第2~5指:MP屈曲 PIP・DIP伸展

 

 

掌側骨間筋(3筋) Palmar interosseous

 

起始 第2中手骨尺側 第4・5中手骨橈側

停止 第2・4・5基節骨底橈側

神経 尺骨神経 C8~T1

作用 第2・4・5指:MP内転・屈曲 PIP・DIP伸展

 

 

背側骨間筋(4筋) Dorsal interosseous

 

起始 第1~5中手骨の相対する面

停止 橈側のもの:第2指橈側 中央の2個:第3指両側 尺側のもの:第4指尺側の基節骨底と指背腱膜

神経 尺骨神経 C8~T1(橈側の骨間筋は時として正中神経を受けることがある)

作用 第2・4指MP外転・屈曲 第3指MP:橈・尺側屈 屈曲

   第2・3・4指:PIP・DIP伸展

 

 

 

□軟部組織の触診

 

手部:領域Ⅰ 母指球

 

 

母指球は母指の基部に位置していて、母指を動かす3つの筋肉によって構成されている。

短母指外転筋が最も表層で、母指対立筋は中間、そして短母指屈筋は深層にある。

母指球は触診した時肉付きがよく感じられ、筋膜による境界がないためよく動く。

利き手の母指球は、反対側の母指球に比べ多少発達しているように感じられる。

肥大あるいは委縮していないか検査する。

視診や触診によって他方の母指球と大きさ、形状、硬さを比較する。

正中神経の反回枝により母指球筋は支配されているので、手根管内での正中神経の圧迫は、母指球の委縮する原因となる。

手根管症候群の可能性があれば母指球の委縮がみられ、また随伴する徴候としてたやすく第1中手骨を触診できる。

委縮の始まりでは母指球筋はやや扁平化する。

後になると病変が明白となり、正常の著名な筋の膨隆が陥凹する。

 

手部:領域Ⅱ 小指球

 

小指球は小指のすぐ近位側にあって豆状骨まで長軸方向に伸びている。

この小指球もまた3つの可動性のある筋肉よりなっている。

すなわち、小指外転筋、小指対立筋、小指屈筋である。

これら3つの筋肉は層をなしているので互いに区別することは出来ない。

小指球は肥大もしくは委縮していないかを検査する。

小指球は尺骨神経によって支配されているので、委縮はギヨン管か上肢のさらに近位側における尺骨神経の圧迫の結果生じてくる。

またその圧迫は手の尺骨神経領域の知覚異常をおこす。

 

手部:領域Ⅲ 手掌

 

 

手掌内の構造は、厚い筋肉(母指球と小指球)および手掌腱膜のために正確に触診することはできない。

かろうじて屈筋腱が手掌腱膜下の深部で触診しうる。

手掌内の血管、神経は全く触れることはできない。

 

手部:領域Ⅳ 手背

 

【伸筋腱】

 

伸筋腱は手背を走る。

これは、患者が手関節を軽度伸展している状態で、指を伸展した時に触れる。

背側に加えられた力によって指の伸展に抵抗力が加わると腱が浮いてくる。

特に腱がMP関節を横切る場合では、それぞれの腱を関節の遠位側と近位側で触知しなければならない。

この部位での痛みは腱の捻挫か断裂によって生じる。

慢性関節リウマチの患者では、伸筋腱はMP関節の尺側にずれ、指の尺側変位を生じる。

 

手部:領域Ⅴ 指節骨

 

指は筋をまったくもたず、指の動きは屈筋腱および伸筋腱によって行われる。

まずPIP関節の周囲の軟部組織を触診する。

PIP関節のの背側および掌側はなめらかである。

というのは屈筋腱および伸筋腱がこの関節を横切るからである。

厚い関節包と側副靭帯に覆われている関節の側面は、紡錘状である。

 

 

腫脹した関節は疼痛を伴うので、愛護的に触診する。

異常な紡錘状の腫脹は、慢性関節リウマチによる滑膜炎を意味する(ブシャール結節)。

時に慢性関節リウマチはいわゆるスワンネック変形を生じる。

 

 

もし総指伸筋腱の中央部での長軸方向への断裂が中節骨の基部の付着部で起きると、PIP関節は局度に屈曲し、DIP関節が伸展する。

この状態はボタン穴変形と呼ばれ、触診すると中節骨に圧痛を引き起こす。

 

 

DIP関節は、PIP関節と同様に、その背側・掌側はなめらかであり、側面は紡錘状である。

一側の手の腫脹や触診によって引き起こされる痛みには、どんなものでも気をつけねばならない。

触知しうる骨性の結節(ヘバーデン結節)はDIP関節の背側または側面にみられ、これは変形性関節症を意味する。

 

 

もし、総指伸筋の停止部が末節骨から骨片を伴って裂離すると、骨性の隆起がDIP関節のの背側に触れる。

DIP関節に触れると痛みを生じることがあり、この変形は槌指として知られている。

 

 

手部:領域Ⅵ 指腹

 

指腹は知覚神経終末が多く、手のほとんどの運動や仕事の助けとなっている。

指腹をおかす病変は手の極めて重大な機能を障害するので重大な所見と考えられる。

指の末端は特に感染を受けやすい。

指腹の局所的な感染(瘭祖)では、感染が皮膚と骨の間におきるので減圧されにくい。

このような感染では、その圧は膿の量に比例して増大し、激しい疼痛がある。

指の感染は近位側に移行しやすいので、手の背側に腫脹、発赤がないかを検査する。

もし腫脹があれば、顆上および腋窩リンパ節に腫大がないかよく調べる。

感染の拡大はリンパの走行に従っておこるからである。

指腹に原発する感染は腱鞘に沿って拡大し、Kanavelの4主徴を呈する。

①指の屈曲、②典型的な腫脹、③他動的伸展による激痛、④腱鞘の走行に沿う触診による過敏性。

爪床を完全に取り巻く型の瘭疽もしくは「さかむけ」の感染(爪周囲炎)は普通爪の横から始まるが、爪床周囲に広がる空間があるので局所にはとどまらない。

 

□神経学的検査

 

筋力テスト

 

【指伸展 C7】

 

主動伸筋群

①総指伸筋 橈骨神経 C7

②示指伸筋 橈骨神経 C7

③小指伸筋 橈骨神経 C7

 

 

指の伸展テストをする際、手関節は中間位に固定する。

検者は患者にPIP関節を屈曲させておいてMP関節を伸展させる。

指伸筋群の代わりに手の内在筋が代償することを防ぐためにIP関節を屈曲させる。

それから患者の基節骨の背側に検者の手をおき、患者のMP関節を屈曲するように力を加える。

 

【指屈筋 C8】

 

主動屈筋:DIP関節

①深指屈筋 尺骨神経 C8 T1 正中神経前骨間枝

主動屈筋:PIP関節

①浅指屈筋 正中神経 C7 C8 T1

屈筋:MP関節

①虫様筋

中指・環指の虫様筋 尺骨神経 C8

示指・小指の虫様筋 正中神経 C7

 

 

指の屈曲を検査するために、患者にすべてのIP関節を屈曲させるように命ずる。

検者の指を屈曲した患者の指の中に入れて、検者は患者の屈曲した指を伸展させるように引っ張る。

正常ではすべての関節は屈曲したままである。

検者の引っ張りに抗して屈曲を保つことができなかった関節をチェックする。

 

【指外転 T1】

 

主動外転筋

①背側骨間筋 尺骨神経 C8 T1

②小指外転筋 尺骨神経 C8 T1

 

 

指の外転をテストするため、手の中心線から離れる方向に患者の伸展した指を外転させる。

そして示指と中指、示指と環指、示指と小指、中指と環指、中指と小指、環指と小指をそれぞれ検者の指でつまみ、患者の2つの指が閉じる方向へ力を加える。

 

【指内転 T1】

 

主動内転筋

①掌側骨間筋 尺骨神経 C8 T1

 

 

指の外転内転を調べるために患者に指を伸展したまま閉じさせるようにし、検者は患者の指間を開かせるようにする。

示指と中指、中指と環指、環指と小指で検査する。

指の内転を検査するもう1つの方法として、患者の伸展した2指の間に1枚の紙を挟み、患者には紙を指間でおさえるようにさせ、検者はそれを引き抜く。

患者の紙を挟む強さを反対の手と比較する。

 

【母指伸展】

 

主動伸筋:MP関節

①短母指伸筋 橈骨神経 C7

主動伸筋:IP関節

①長母指伸筋 橈骨神経 C7

患者の母指を伸展させる。

検者は患者の母指を屈曲させるように患者の末節骨に力を加える。

大きな力を加えなくてもMP関節かIP関節が屈曲するかをみる。

もしも母指の伸筋が弱いか全く機能してないと、母指外転筋群が代償的にMP関節を伸展させるように働く。

 

【母指屈筋】

 

主動屈筋:MP関節

①短母指屈筋

内側部 尺骨神経 C8

外側部 正中神経 C6 C7

主動屈筋:IP関節

①長母指屈筋 正中神経 C8 T1

 

母指屈筋を検査するためには、母指を小指球に付けるように指示する。

母指が完全に屈曲すれば、検者の母指を患者の母指にひっかけ、伸展するように引っ張ってみる。

 

【母指外転(掌側外転)】

 

主動外転筋

①長母指外転筋 橈骨神経 C7

②短母指外転筋 正中神経 C6 C7

 

 

この検査をする際には、検者は患者の手を尺側より包み込むようにして患者の中手骨を固定する。

患者に母指を完全に外転させるように指示し、検者は患者の母指を掌側へ戻すように力を加える。

母指外転筋が弱くなっているか機能していない時、母指を外転させるために母指伸筋群が代償することがある。

 

【母指内転】

 

主動内転筋

①母指内転筋(斜走筋と横走筋) 正中神経 C8

 

外転を検査した時と同様に、患者の手を尺側より固定しておく。

患者の母指をもち、内転するように指示し、次第に抵抗を加えてゆき最大抵抗を決定する。

 

【つまみ動作(母指・示指間)】

 

 

つまみ動作はいくつかの筋が共同して働く運動である。

指伸筋群および指屈筋群はIP関節、MP関節、CM関節を固定し、母指と示指のアーチを形成する。

このアーチが「O型のつまみ」である。

虫様筋および骨間筋もつまみ動作に働いている。

つまみ動作を検査するには、示指と母指の指先部でつまむように指示し、この輪の中に検者の示指をひっかけ、輪が開くように力を加える。

正常では、中等度の力ではその輪を開くことはできない。

 

【母指と小指の対立】

 

主動対立筋

①母指対立筋 正中神経 C6 C7

②小指対立筋 尺骨神経 C8

 

対立を検査するには、母指と小指の指先部を付けるように患者に指示する。

検者は一方の手を患者の小指球に、他方の手を母指球にあて、それぞれの指球にある中手骨に力を加えて、母指と小指をはなすようにする。

 

□知覚テスト

 

【末梢神経支配】

手は3つの主な末梢神経によって支配されている。

 

橈骨神経

橈骨神経は第3中手骨の橈側手背部、および母指、示指、中指のDIP関節までの手指背側の知覚を支配している。

母指と示指の指間(水かき)部は橈骨神経の知覚固有域である。

 

 

正中神経

正中神経は手掌の橈側部および母指、示指、中指の手掌面の知覚を支配している。

またこれらの3指の末節骨背側も支配している。

この神経の知覚固有域は示指先端部掌側である。

 

 

尺骨神経

尺骨神経は手掌および手背の尺側、環指、小指の知覚を支配している。

この神経の知覚固有域は小指の指先部掌側である。

 

【神経学的レベルによる手の知覚支配】

手の知覚は3つの神経学的レベルから支配を受けている。

 

C6

C6は母指、示指、中指の半分の知覚を支配しており、手の機能で重要であるつまみ動作に必要な知覚は正中神経を介しC6から支配を受けている。

C7

C7は中指を支配しているが、中指はC6、C8からも支配を受けている。

C8

C8は環指と小指の知覚を支配している。

 

 

□特殊な検査

 

【バネル・リトラーテスト】

 

このテストは手の内在筋(虫様筋と骨間筋)の短縮を調べるものである。

これはPIP関節の屈曲制限が内在筋の短縮によるものか、関節包の拘縮によるものかを決定することにも使われる。

これらの症状は、指を手掌に向けて屈曲することを制限する。

内在筋の短縮を調べる際には、MP関節を少し伸展させて保持し、PIP関節を屈曲させてみる。

 

 

この状態でPIP関節が屈曲できれば内在筋に短縮や屈曲制限はない。

けれども屈曲できなければ内在筋の短縮があるか、関節包の拘縮がある。

MP関節を少し屈曲させ、(これにより内在筋を弛緩させる)、PIP関節を屈曲させることで、内在筋の短縮と関節包の拘縮を鑑別できる。

もし関節の完全屈曲が可能であれば内在筋の短縮があり、完全に屈曲できなければその制限はPIP関節の拘縮によるものであろう。

 

 

【支帯靭帯テスト】

 

このテストは支帯靭帯の短縮をみるものであり、DIP関節の屈曲制限が支帯靭帯の短縮によるものか、関節包の拘縮によるものか決定するために施行される。

検査する際にPIP関節を中間位に保持し、DIP関節を屈曲方向へ動かす。

 

 

関節が屈曲しなければその制限は関節包の拘縮によるものか、支帯靭帯の短縮によるものである。

この2つの状態を鑑別するには、PIP関節を幾分屈曲位にすることで支帯靭帯を弛緩させておく。

この状態でDIP関節が屈曲できれば支帯靭帯の短縮がある。

もしできなければDIP関節の関節包の拘縮によるものであろう。

 

 

【アレンテスト】

 

アレン・テストは橈骨動脈と尺骨動脈が十分に手部に血液を供給しているかどうか診断するために行われる。

テストする際には素早く5~6回把握動作を行わせ、その後強く把握して、静脈血を手部から出しておく。

検者の母指を橈骨動脈の上に、示指と中指を尺骨動脈の上におき、圧迫を加える。

 

 

そのままの状態で患者に手を開かせると手掌部は蒼白になっている。

手関節部で一方の動脈に圧迫を加えたままで、他方の動脈を解放すると、正常では手はすぐに血流のため赤くなる。

全く反応しないか、もしくはゆっくり赤くなってゆく場合には解放した方の動脈の完全または部分的な動脈の閉塞がある。

 

 

もう一方の動脈も同様に検査し、反対側の手と比較し検査する。

アレン・テストの変法により指動脈の状態も検査できる。

5~6回素早く把握動作をさせて、次に強く握りしめ指の掌側から静脈血を出してしまい、そのままの状態で検査する指の基部に検者の母指と示指をおき指動脈を強く圧迫する。

指を開くとその指は他の指に比べ蒼白になっている。

 

 

赤くならなかったら、指の血管に障害がある。

他方の血管も同様にして検査し、もう一方の手の同じ指と比べてみる。

 

 

□特徴

 

寒い時に手がかじかむのは、手筋が麻痺するためである。

この場合、手先の細かい運動は障害を受けるが、前腕部の筋は犯されていないから、指の屈伸運動は可能である。

だから、たとえば紐を結ぶことは出来ないが、重い物を吊り下げることは出来る。

 

手の掌面には強い手掌腱膜があって、厚い皮膚と比較的かたく結合している。

手掌腱膜は深浅2層からなり、表層は長掌筋の腱の続きで、5束に分かれてイチョウの葉のように拡がり、各指の皮膚に付いている。

深層は屈筋支帯の続きで、横走する線維で編まれている。

母指及び小指に対する中手部は、それぞれ母指球及び小指球とよばれ、手掌腱膜を欠いている。

手の背面には手背筋膜があるが、比較的弱くて皮膚とは疎性に結合している。

各指の掌側には、長短指屈筋の腱を共通に取り巻く滑液鞘があり、その表層を強靭な靭帯がさやのように包んで、指を曲げた時に腱が指から離れないように結びつけている。

指の背側では伸筋群の腱に滑液鞘は見られず、またこれらの腱を指に縛り付ける特別の靭帯もない。

上肢の骨は相互の可動性が大きくて、したがって腱と骨との摩擦も著しいから、多数の滑液包や滑液鞘がこれに付属している。

滑液包は多く肩関節と肘関節の付近にあり、滑液鞘は前腕から手に至る長腱の周囲を取り巻いている。

 

□手掌腱膜

 

手掌腱膜は4つの幅の広い、各指の基部まで広がるバンドからなっている。

手掌腱膜では、主として環・小指の尺側・近位部にはっきりと小結節の形をとる肥厚した部分がないかを念入りに触診する。

これらの小結節は、指の屈曲変形(デュピュイトラン拘縮)をひきおこす。

 

 

□指屈筋腱

 

指屈筋腱は手掌腱膜下の腱鞘の中を走っており、一般にはこれを触れることはできないが、場合によって触知することがある。

もし触れる場合には、圧痛が誘発されないか気をつける。

というのは、その圧痛は屈筋腱への直接の外傷の結果であることがある。

腱の触診の際には、患者に指を屈伸させる。

触知できかつ聞き取れるような弾発が指の動きに際して生じた時、それはばね(弾発)指である。

弾発は、狭い管状の腱鞘や中手骨の掌側のプーリーで引っかかった屈筋腱の小結節によって、よく生じる。

弾発は屈曲もしくは伸展時に起きる。

同様の事が母指の動きの際に生じれば弾発母指であり、よく診られる所見である。

 

 

□指背腱膜

 

指の伸展運動は単一の筋腱によるものではなく、複数の筋腱と腱膜が相互に複雑なバランスを保って行われる。

指の伸展機構の主要部分は3つの筋腱と4つの補助組織からなる。

⒈筋腱 指伸筋腱 骨間筋腱 虫様筋腱

⒉補助組織 矢状索 骨間筋腱膜 支靭帯 三角状靭帯

指背腱膜は3つの筋腱線維が交錯して、指背皮下で薄い腱膜を形成したものである。

これに補助組織が付属し、さらに中央索、側索、終伸腱などが複雑に組み合わさって伸展機構を形成している。

指伸筋の主な作用はMP関節の伸展であるが、MP関節が屈曲位にあれば、PIP・DIP関節の伸展に作用する。

骨間筋はMP関節には屈筋として作用するが、MP関節固定位ではPIP・DIP関節の伸展に作用する。

虫様筋はMP関節には屈筋として働き、MP関節の肢位にかかわらずPIP・DIP関節の伸展を行う。

MP関節の屈筋は骨間筋と虫様筋であるが、浅・深指屈筋も補助的に作用する。

MP関節の伸筋は指伸筋(示指伸筋、小指伸筋を含む)だけである。

PIP関節の屈筋は主として浅指屈筋であるが、深指屈筋も補助的に作用する。

PIP関節の伸筋は骨間筋と虫様筋が主で、指伸筋は補助的である。

DIP関節の屈筋は深指屈筋だけである。

DIP関節の伸筋は骨間筋と虫様筋であり、指伸筋は指背腱膜の緊張に関わり伸展に関与する。

 

□手関節と手の筋

 

手関節と手の運動に関与する筋は、上腕骨または前腕骨に起始があり、手の骨に停止がある前腕筋群(外来筋群)と、手の骨に起始と停止がある比較的小さな手内在筋群の2群に区別される。

手内在筋群は前腕筋群の粗大力を巧みに制御して、手の複雑、精巧な機能を発揮させる働きをする。

掌側の手内在筋はいずれも手掌腱膜の下にあり、母指球を形成する母指球筋と小指球を形成する小指球筋、この両群間に存在する中手筋(骨間筋、虫様筋)の3群に区分される。

手背の手内在筋は背側骨間筋だけである。

母指と小指の屈筋、外転筋、内転筋はその名の通りの作用をもつ。

母指と小指の対立筋は共同して母指と小指を近づける対立運動を行う。

骨間筋と虫様筋は指背腱膜を構成し、第2~5指のMP関節屈曲、PIP・DIP関節伸展に関与する。

さらに骨間筋には第3指を中心にして手指の外転・内転作用がある。

 

□手のアーチ

 

手は把握動作に適応するように、縦・横・斜方向にアーチが形成され、掌側に凹状の曲面を作っている。

 

①縦方向のアーチ

MP関節をかなめ石として手根骨―中手骨―指骨で形成される。

機能的には示指と中指のアーチが重要である。

②横方向のアーチ

遠位手根骨列で形成される固定性の手根骨アーチと、中手骨頭で形成される可動性の中手骨アーチがある。

③斜方向のアーチ

母指と他の4指で形成され、把握動作で最も重要なアーチである。

 

□手の把持動作パターン

 

手と指のさまざまの動作の基本となるのは、「つかみ」と「つまみ」である。

つかみに類似した言葉に「握り」がある。

「つかみ」は5本の指を放して瞬間的にものをとらえる動作であり、」「握り」は指をそろえて持続的にとらえている動作である。

しかし両者はあまり区別しないで用いられている。

指を主に用いる場合を「つまみ」という。

「握り」のうちで「力強い握り」は母指と他の4指が対立位となって、棒をしっかりと把持するような動作をいう。

この時発揮される力は対象物の大きさで変わる。

最も力強いのは母指と示指の先端がふれるくらいの肢位である。

筋は手指屈筋群、なかでもMP関節を屈曲させる虫様筋、骨間筋が重要となる。

母指ではすべての母指球筋、なかでも母指内転筋が重要である。

鉛筆やペンを母指と示指を対立位にして把持する「正確な握り」では、PIP関節は屈曲し、DIP関節は伸展する。

主要な筋は第2指の深指屈筋、短母指屈筋、短母指外転筋、母指内転筋である。

母指に関与しない「握り」としての「かぎさげ」は「握り」の不完全型で、完全屈曲位にならない指と手掌の間で把持する。

支持力はあまり強くない。

「つまみ」は「指尖つまみ」、「指腹つまみ」、「横つまみ」、「3指つまみ」、「5指つまみ」などに分けられる。

 

□手の機能肢位

 

手の基本的肢位には、安静肢位と機能肢位とがある。

前者は手関節軽度掌屈、母指は軽度外転屈曲で第2指の指先側面に対立、第2~5指は軽度屈曲位で、各指の長軸を延長すると舟状骨結節部に収斂する。

後者は手関節中度背屈、軽度尺屈、母指は掌側外転・屈曲、第2~5指は軽度屈曲位で、母指と他の指の先端がほぼ等距離にあり、各指の長軸はやはり舟状骨に収斂する。

安静肢位は睡眠時や麻酔下でみられる。

機能肢位は手の各種動作を起こしやすい肢位である。

 

□手の変形

 

⒈指の伸展機構の障害による変形

 

指の伸展機構は指伸筋腱、骨間筋腱、虫様筋腱とそのほかの補助組織からなる指背腱膜の微妙な平衡のうえに成り立っている。

これらの筋腱の間で均衡が乱れると特有の変形が起こる。

 

①手内在筋優位の手

指伸筋よりも相対的に骨間筋、虫様筋の緊張が高い時に起こり、MP関節屈曲位、PIP・DIP関節伸展位となる。

指伸筋の損傷・麻痺、慢性関節リウマチ、テタニー、パーキンソン症候群などの錐体外路系疾患(視床手)などでみられる。

 

②手内在筋劣位の手

骨間筋、虫様筋よりも相対的に指伸筋の緊張が高い時に起こり、MP関節伸展位、PIP・DIP関節屈曲位となる。

尺骨神経麻痺による鷲手は、この変形に含まれる。

 

③白鳥の首変形

手内在筋の拘縮や緊張、MP関節の屈曲拘縮、PIP関節の不安定性などで起こり、MP関節屈曲位、PIP関節過伸展位、DIP関節屈曲位となる。

 

④ボタン穴変形

中央索の伸張・断裂で、MP関節過伸展位、PIP関節屈曲位、DIP関節過伸展位の変形となる。

 

⑤槌指

突き指などで終伸腱が断裂した時に起こり、PIP関節伸展位、DIP関節屈曲位となる。

 

⒉上肢末梢神経麻痺による変形

 

脊髄の前角細胞から筋に至る末梢神経伝導路のどこかに障害や病変が起こると、その神経筋群に弛緩性麻痺が生ずる。

障害される上肢の末梢神経の種類によって、手は特有の変形を示す。

 

①下垂手

橈骨神経麻痺の典型的な形は、長橈側手根伸筋以下の橈骨神経支配筋が麻痺する場合(橈骨神経高位麻痺)で、手関節背屈、MP関節伸展が不能となる。

感覚障害は前腕、手背橈側に起こる。

前腕遠位1/3よりも末梢での障害(橈骨神経低位麻痺)では運動麻痺は起こらない。

 

②さる(猿)手

正中神経麻痺で円回内筋以下が麻痺(高位麻痺)した時に起こり、母指球の委縮が著名である。

感覚は手掌橈側が侵される。

手関節部の障害(低位麻痺)では母指球筋の麻痺・委縮はあるが、さる手は出現しないことがある。

 

③わし(鷲)手

尺骨神経麻痺で起こる。

肘関節よりも中枢での麻痺(近位麻痺)では前腕筋を含むが、手関節よりも末梢での障害(遠位麻痺)では手内在筋だけの麻痺がおこる。

感覚障害は手の尺側に認められる。

尺骨神経麻痺で母指内転筋、第1背側骨間筋麻痺があるとき、母指と示指の間に紙を挟んで引かせると、母指内転が不能でMP関節が不安定となり、代償的に長母指屈筋が働いて保持しようとするため、IP関節の屈曲が起こる。

この現象をフロマン徴候(Fromen’t sign)という。

 

□TP

 

【短母指外転筋】

 

 

関連痛パターン:母指掌側の橈側

TP:母指の第1中手指節関節と手根中手関節との中線

 

小さい物体を長時間取り扱ったり、握っていたりした時に損傷する。

字を書く、絵を描くなどの活動は、すべての手掌筋に影響を与える。

母指のばね指発症にはすべての手掌筋が関与している可能性がある。

 

【短母指屈筋】

 

 

関連痛パターン:母指掌側

TP:起始部と停止部の中間

 

短母指外転筋を参照

母指のばね指発症にはすべての手掌筋が関与している可能性がある。

 

【母指内転筋】

 

 

関連痛パターン:母指掌側の橈側

TP:母指と示指の間。

 

短母指外転筋を参照。

母指のばね指発症にはすべての手掌筋が関与している可能性がある。

第1背側骨間筋ではなく、間違いなく母指内転筋に挟圧法を施すように気をつけること。

 

【母指対立筋】

 

 

関連痛パターン:筋の起始部および停止部

TP:手根中手関節と第1中手指節関節の橈側を結ぶ線の中間点

 

短母指外転筋を参照。

母指のばね指発症にはすべての手掌筋が関与している可能性がある。

 

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